額縁の中の少女
ここは展示されているものを評価する評価場。
真っ白な空間にたった1つだけ何かが1週間展示される。
1週間展示され終わったあとどうなるかは誰も知らない。
誰かの手に渡って大切にされるのか、それともただのゴミと化すか。
今日も始まった評価会。
いつものようにいろんな人が訪れ、評価していく。
評価するといっても見た目など目に見えるものでの評価。
結局そんなもんだ。
私は笑顔がない。
笑ってないゆえに、この子は性格が悪いだのなんだの言われる。
この時間が一番憂鬱だ。
結局本質なんか見ようとしない。
そして誰が作ったかでしか評価しない。
私を作ったのは、誰にも認知されてない人。
もし、私が有名な人から生まれていれば、今の評価はガラッと変わっただろう。
芯が強そうだとか、まっすぐ向かっていく強そうな人だとか。
こんな表面上の評価のどこが評価なのか。
みんな、自分が言いたいように言って満足してるだけ。
自己満な人ばかり。
こんな憂鬱な時間が続く。
だが、今日は違った。
1人小さな女の子が家族に連れられてやってきた。
相変わらず、周りはテキトーなことを言う中、彼女だけはまっすぐと私を見つめた。
そして彼女は微笑んで私を指を指した。
「お姉ちゃん、笑ってるね。とても優しそうだね。」
その瞬間、私の頬から涙がこぼれた。
そしてあなたにだけ微笑んだ
「ありがとう」