自由世界
ある日、世界は自由を手に入れた。
仕事も、お金も言語も、文化もなんでも自由。
やることなすことがすべて自由な世界。
何も言われない自由な世界。
素晴らしい。世界中の人々はそう思った。
これで平和で自由な世界ができる。
これで幸せになった。
そうなるはずだった…。
そして、世界は終わった。
全世界の人々が自由になる。
それは世界の崩壊を意味していた。
これまで予定通りにいっていたことが予定通りにいかなくなる不平不満。
何をしても自由な世界。
自分中心の世界。
相手のことなんか関係ない。
残ったのは、ある程度の制限とある程度の自由を築き上げたもののみ。
自由。
それは果たして何を指すのだろうか。