そして今日も世界は進み続ける
邪魔な思考を取り除くために今日も一心不乱に働き続けた。
気を抜くともうダメだ。疲れが一気にやってくる。
それに疲れた時ほど奴のことを思い出す。
ダメだ。もう動きたくない…。
ちょうどよく向かってきたタクシーに左手を上げて、タクシーを拾った。
もう今日はタクシーで帰ろう。
華金の今日は、人々が「今週を乗り切ったぞ!!」と言わんばかりに酔っ払い、騒いでいる。
タクシーで繁華街を通り抜ける中、街を彩るネオンと共に、繁華街にいる人達を窓から眺めた。
ネオンの光が気が緩み弱くなった心を優しく包み込み、さらに弱くした。
あなたがいなくなってから、私の人生もう終わったみたいになったけど、実際終わることなんてない。
死にたくなったとしても死なないし、時間が止まってほしいと思っても時間は止まらない。
私が幸せになろうが不幸になろうが、世界にはそんなの関係ないし、知ったこっちゃない。
結局マインドの問題でしかないことを世界が私に教えてくれているようだ。
どんなに未来のことを考えても意味がない。
過去は過去。今が未来に変わっていく。
明日が明後日になることはない。結局速度は変わらず、止まることなく進み続ける。
残酷であり、なんだかんだ優しい。それが世界。
もう君は過去の人間でしかないんだ。
私は先に進む。だから、今に集中してるんだ。
あなたのことなんか置いていくよ。
でも、ふとした時に弱くなってしまう自分がいる。
今の私は、進むために弱くなる自分を恐れてる。
私がそんな状況だったとしても、今日も世界は進み続ける。
なんだかんだ生きていけちゃうんだよね...。
※この話はフィクションです。