Predator & Murderer

やった後悔は時間が忘れさせてくれる。

やらなかった後悔は、あなたを縛りつける。

 

逃げることは勇気はいるけれど、捨てることに勇気はいらない。

逃げ出す勇気を今持てなければ、この先もっと逃げづらくなるだろう。

 

人生において決まった答えはない。正解はない。

正解も決まってなければ失敗も決まっていない。

答えがないのだから、自分で答えを作り出すしかない。

答えを作り出すにはひたすらに行動しなければならない。

 

行動するためには、ネガティブな自分を押し退けて進まなければならない。

ただ、ネガティブな想像は行動力を鈍らせる。

その想像は、時に自分を食らう妄想に変わる。

 

今の自分はこれまでの自分の選択が作り出した自分。

自分に食われるか自分を食うか、あなたはどっちを選ぶだろうか。

 

今の自分を変えたければ、押し退けて進むことができなければ、自分を食らうしかない。

人は皆、捕食者であり殺人者。

 

自分を救えるのは結局自分だけで、倫理的な観点で言えば他人に手を出すか出さないか。

で、あなたはどうする?

 

僕は僕であり僕が僕のために生きることを僕は望んでいる

ありきたりな日々を過ごして、飽き飽きしている。

僕の周りにはいつも誰かがいる。

それなりの立場で実績も積み上げてきた。

常に欲して、常に貪欲に追い求めてきた。

そして掴むまで諦めなかった。

そのために手段なんか選ばなかった。

邪魔をする奴らなんか蹴落として自分が這い上がってきた。

全ては自分のためだから。

なのに僕は満たされない。満たされるはずなのに満たされない。

なぜなんだ...。

僕は僕に聞いてきた。

「お前は何がしたい。どうなりたい。」

 

僕は答える。

「自分を満たしたい。そのために自分でありたい。」

 

僕は聞いた。

「自分であるためにどうしたらいいと思う?」

 

僕は答える。

「わからない。まず自分でいていいのかどうかもわからない。」

 

僕は聞いた。

「なぜそう思う。」

 

僕は答える

「本来の自分になった時に周りがどういう反応をするか。怖いんだ。自分でいることが。」

 

僕は聞いた。

「なぜ怖い。僕は手段を選ばず、周りを蹴落としてきたじゃないか。」

 

僕は答える。

「怖いさ。弱みを見せたら食われる。僕は常に強くなくてはいけないんだ。強い自分を保つために蹴落としてきた。でも本当の僕は弱い。弱いんだ。その弱さを見せた時、人はどんな反応をすると思う? 僕はそれが怖くてたまらないんだ。」

 

僕は聞いた。

「自分でありたいのに、なぜ周りを気にする。僕は周りのために生きるのか。僕は誰だ?」

 

僕は答える。

「僕は僕なのか? 僕は誰だ? 」

 

僕は答えた。

「僕は僕であり僕のために生きる僕だ。でも今は僕ではない。僕になれない理由も僕だ。」

 

僕は聞く。

「どういうことだ。教えてくれ。」

 

僕は答えた。

「自分の馬鹿さ加減に気付かないんだな。」

 

僕は聞く。

「何が言いたい。」

 

僕は答えた。

「僕は自分自身を理解せず、そしてわきまえず、分不相応な欲に支配された救いようのない「大馬鹿者」だ。」

「望むことは悪くない。悪くはないが、身の丈に合わぬ物を欲したからには相応に責任を取らねばならない。」

「世界を語るもよし、天才秀才を謳うもよし、他者を語るもよし、欲を追うもよし。好きにすればいい。でも僕は僕でしかない。僕自身になれるのは僕しかいないんだ。僕は他者にはなれない。」

「僕はこの世界の中のたった1つのちっぽけな生命体でしかないことを自覚しろ。それをわきまえることができない以上、自分であることもできず、僕を超えることすらできない。そして今の僕は僕に挑むことすらできていない。」

 

僕は何も答えられなかった。

理解できたわけではなかった。だが、言葉が出てこなかった。

 

そして考えた。僕が僕に言ったことを。

『僕に挑む』とはなんなのかを。

そして唐突に理解した。

なぜ欲を追い求め続けるのかを。なぜ満たされないのかを。

 

 

時は流れ、僕は僕の前に再び立った。

そして僕は聞いてきた。

「長かったね。これでいいのかい。」

 

僕は答える。

「思ったより時間かかっちゃったわ。でもこれでいい。ほら、来いよ。一緒に行こ。」

 

僕の言葉を最後に僕は僕の中へと消えていった。

消えていく時、微かに見えた笑顔が「ありがとう」と言っていたようだった。

 

僕がすべきことは『弱さを受け入れる』ことだった。

僕自身を信じて受け入れてあげるべきだった。

人は必ず何かを失い、生きている。

偶然的な失いもあれば必然的な失いもある。

失ったものはもうない。どんなに願おうがない。

失ったことをまず受け入れ、それに変わる新たなものを探す。

失ったものに変わるものでなければ、満たされないのだ。

 

この日から僕は僕になった。

そして僕は君に問う。

『君はどうなりたい?』

オートファージー

私は自食する。

不要になった自分を食べないと不要な自分が溜まっていくだけ。

新しくなれない。進化しない。

だから食べる。自食する。

 

不要な自分が溜まると、私自身に障害が出てくる。

だから食べる。自食する。

食べて吸収する。エネルギーとする。

 

今のままでいいって言う人がわからない。

変わらないってことができると思ってる?

傲慢だね。時間は進むよ。

 

変化するのが怖いって言う人がわからない。

変化しないと溜まっていくだけだよ。

哀れだね。自分に殺されるよ。

 

どうやって変わればいいのかわからないって?

簡単だよ。自分を食べればいい。

自分で自分を食らうんだ。

食べて純粋な新しい自分になるんだ。

食べるより食べ終わった後がたまらない。

 

私は更なる変化を求めて他の人の血を入れる。

食べるんじゃない、入れるの。

飲むのでもない、入れるの。

 

そして新しい自分が作り出されて、また古い自分を食べる。

その行為の繰り返し。

私は自生する。

 

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※オートファージー(自食作用)。

細胞の破損した部分を除去し、新しい健康な細胞が入れる場所を作るプロセスのこと。

いわゆる、細胞の掃除メカニズムのようなもの。

下書きフォルダ

「何もかも全部消えればいい」

「人と違くて何が悪いわけ?」

「共感できないと理解もされないわけ?」

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今日も私は、本当の気持ちをスマホに綴る。

自由だなんだと言われてるこの世の中。

今この世界にあるものが嫌い。でも拒絶するほど嫌いではない。本当はたぶん好き。

本当は受け入れられる。それもわかっている。でも受け入れたくない。

私は共感できるのに共感しようとしなくて素直になれないめんどくさい人間。

 

そんなに欲はないはずなのに、欲しいものがなかなか手に入らない。

欲しいものは1つ。たった1つ。

本音を受け止めてくれる相手。

場所ではなく相手。

リアルな温度を感じられるものでなくちゃダメなんだ。

それに家族だの恋人がいればいいって問題じゃない。

 

いくらネット上に場所を作ろうが、温度がない。

五感で感じられる温度は、ネットにはない。

ただ、リアルで受け止めてほしいだけ。

表面上の受け止めなんかじゃなくて、素直に。

理解してくれないやつなんかみんないなくなればいい。

 

そう思っていた。最近までは

 

受け止められないんじゃなくて、みんな受け止める余裕がないだけ。

みんな平気そうなフリして平気じゃない。

笑っているけれど、本当は泣いてる。

みんなそう。そして私も。

 

受け止めてくれる相手を待つんじゃなくて、自分が受け止めてあげればいい。

相手に余白ができれば、たぶん私のことも受け止めてくれるはず。

確証はないけど、たぶんできる。

すぐ受け止めてくれなくてもいい。すぐ現れなくてもいい。

いつか受け止めてくれればいい。

今じゃなくていつか。

 

よくよく考えれば、すぐ結果が出るものってあるだろうか。

結局は小さいことからの積み重ね。

その先の結果。

欲しいものはたった1つ。たった1つだったけれど、それは大きな理想だった。

待つだけじゃなくて行こう。

受け止めてもらう前にまず受け止めよう。

 

今日、下書きフォルダを消した。

吐き出す煙の中

休みの日。僕はベットの上で現像した写真を天井にかざしながら見つめていた。

僕は月の終わりに過去の整理と未来への希望の整理をする。

この、たった一人の時間がないと僕は怖い。

目まぐるしいスピードで進む毎日。一度立ち止まって整理しないと、肉体と精神の時間のギャップが生まれそうで怖い。

 

どんな時でも時代は進む。

文化も変わる。その時の流行りは繰り返す。

新しいものが流行ったと思えば、古いものが流行り出す。

そんな何気無いサイクル。

 

人にも似たようなサイクルがある。

そしてそのサイクルには容量がある。

容量に空きがないと新たに付け加えることはできない。

新しくアップデートしたければ、何かを捨てるしかない。

全部受け入れようなんてそんな欲張りなことはできない。

できてたと思っていても何かが失っている。本人はその何かに気がつくことはない。

何気ない循環に穴が空いて、少しずつ流れていく。

 

人にも時代にもサイクルがあるなら、失くしてしまったものも取り戻せないだろうか。

そんなことを考えながらも、現実はそう甘くないことを知っている。

 

後悔しないようにと生きようとしても必ずどこかで後悔する。

その後悔を二度としないように努力する。

でもまたどこかで失敗する。

 

後悔の1つや2つあるのが人生だろ。

後悔のない人生なんかあるのだろうか。

みんな最初から始められるなら始めたいと思う人も多いだろう。

循環が生まれる前から。円形の循環ができる前から。

 

こんな結論のない話を僕は無心になって淡々と考え続ける。

考えて思い出して、整理して新たに前に進む。

 

後悔は消せない。消えない。

消すことができたとしても、消したくない事実までも消えてしまうだろう。

大切なものまで消えてしまうのであれば、引きづらず背負う。

気を重くしてるのは、結局自分自身なのだから。

気軽に、気楽にする。

 

そして僕は、ベランダに出てタバコを吸う。

そのタバコの煙に、整理していらなくなったものを含ませて外へ吐き出す。

吐き出された煙は、だんだんと薄れて空気と同化していく。

本当は手放したくないものだと思うと、この煙も愛おしい。

こうして僕は月初めを迎える。

 

額縁の中の少女

ここは展示されているものを評価する評価場。

真っ白な空間にたった1つだけ何かが1週間展示される。

1週間展示され終わったあとどうなるかは誰も知らない。

誰かの手に渡って大切にされるのか、それともただのゴミと化すか。

 

今日も始まった評価会。

いつものようにいろんな人が訪れ、評価していく。

評価するといっても見た目など目に見えるものでの評価。

結局そんなもんだ。

 

私は笑顔がない。

笑ってないゆえに、この子は性格が悪いだのなんだの言われる。

この時間が一番憂鬱だ。

結局本質なんか見ようとしない。

そして誰が作ったかでしか評価しない。

 

私を作ったのは、誰にも認知されてない人。

もし、私が有名な人から生まれていれば、今の評価はガラッと変わっただろう。

芯が強そうだとか、まっすぐ向かっていく強そうな人だとか。

 

こんな表面上の評価のどこが評価なのか。

みんな、自分が言いたいように言って満足してるだけ。

自己満な人ばかり。

こんな憂鬱な時間が続く。

 

だが、今日は違った。

1人小さな女の子が家族に連れられてやってきた。

相変わらず、周りはテキトーなことを言う中、彼女だけはまっすぐと私を見つめた。

 

そして彼女は微笑んで私を指を指した。

「お姉ちゃん、笑ってるね。とても優しそうだね。」

 

その瞬間、私の頬から涙がこぼれた。

そしてあなたにだけ微笑んだ

「ありがとう」

自由世界

ある日、世界は自由を手に入れた。

仕事も、お金も言語も、文化もなんでも自由。

やることなすことがすべて自由な世界。

何も言われない自由な世界。

素晴らしい。世界中の人々はそう思った。

これで平和で自由な世界ができる。

これで幸せになった。

そうなるはずだった

 

そして、世界は終わった。

全世界の人々が自由になる。

それは世界の崩壊を意味していた。

これまで予定通りにいっていたことが予定通りにいかなくなる不平不満。

何をしても自由な世界。

自分中心の世界。

相手のことなんか関係ない。

 

残ったのは、ある程度の制限とある程度の自由を築き上げたもののみ。

 

自由。

それは果たして何を指すのだろうか。